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ソング・サイクル
某雑誌にアボリジニの「歌」について記述された頁がありました。
複数の民族からなるアボリジニは、自分たちのしきたりをそれぞれの歌にすることで、数万年の間その伝統を守ってきたといいます。歌は詩であり、そして巨大な物語の一部であり、儀礼ごとに場所と目的により詩が選択され、上演が繰り返されてきました。それを「ソング・サイクル」と名付け、「中央オーストラリアの歌」(1971)という本にまとめたのがT・G・H・ストロレーというアボリジニ研究者でした。しかし文字を持たないアボリジニにとって「記録」はタブーであり、その禁忌を犯すことは堅く禁じられています。それは活字やフィルムにおいても同様とされ、そのためストロレーの主要な書は「危険な本」として絶版となり、今でも読む事は難しいとされています。ドイツ移民の子としてオーストラリアで育ったストロレーは決して異文化に対する敬意を忘れる事はなかったと言いますが、キリスト教徒としての視点は拭えなかったようです。

文字を持ち、記録し、世代を超えて知識や技術を伝えることでわたしたちは今日の文明を築いてきました。記録とは自分の外に情報を置く事であり、それは現在のネット社会において顕著になっているように感じます。進歩という言葉で語られたこの世界は今後どのような道を辿っていくのか。そんな今を憂いつつ、新作を作っています。

これまで日本はウランの約30%をオーストラリアから輸入していました。
ウランの採掘地はアボリジニの歌では「危険な土地」または「聖なる土地」として遥か昔から踏み込んではならない場所になっていたそうです。
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by mangost | 2011-05-16 10:07 | Comments(0)
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