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マンゴスチンブログ
by mangost
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セガンティーニ「光と山」展
以前より見たいと思っていた画家の一人。
色彩分割法は多くの印象派で馴染みがありますが、この人の絵は色彩以上に、隣接する絵の具そのものが物質として拮抗する力強さを感じさせます。強固に均一化された画面は、石も草も木も羊も牛も山も雲も空も、全てが一体となって立ち現れ、その光は見る者に強烈な印象を投げかけてきます。ところがこの技法以降、セガンティーニの絵に人物の表現がしっくりこない作品が目立ちます。フォルムになにかぎこちなさを感じてしまうのです。アルプスの自然に寄り添い、素朴な人や自然そのものを描き続けたセガンティーニでしたが、人間と自然は別個のものとして捉える、という見方から免れることはできなかったのかもしれません。「わたしの山を見せてくれ」という最期の言葉からも、そんな思いを感じてしまいます。

損保ジャパン東郷青児美術館
2011年11月23日(水・祝)~12月27日(火)

アルプスの真昼(部分)
セガンティーニ「光と山」展_a0048259_1750884.jpg

by mangost | 2011-12-27 18:05 | exhibition
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