マンゴスチンブログ
by mangost
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ドーハ・トライベッカ映画祭 / Doha Tribeca Film Festival
先週11月20日からドーハトライベッカ映画祭に参加させていただきました。

日本プログラム上映の会場となった「イスラム芸術博物館」
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アラブ世界での映画祭はエジプトに続き二回目となりますが、カタールという国についての知識はほぼゼロに近く、直前に慌てて調べたくらいで案の定、トランジット地点のドバイと1時間の時差があることを知らぬままドーハでしばらく行動していました。SSFFの東野ディレクターと待ち合わせ時間になって気づいた次第でしたが、これが逆に1時間遅れだと大変なことになっていたわけで、今後の戒めとするところです。初日は在カタール日本大使館の門司大使とお会いさせていただき、日本とカタールとの様々な面で橋渡しをされているご苦労を聞かせていただきました。文化面での交流は思った以上になされているようで、この映画祭の日本プログラム上映もその一環であり、今年2月にはカタール政府の支援を受け、村上隆の大仰な個展がドーハ新美術館で開催されています。
カタールがスポーツや芸術を積極的に支援する理由の一つに、カタールには国独自の文化がないという背景があります。資源に頼らず今後の国際進出を果たすためにはその文化的側面の確立が不可欠だという考えがあるようで、そのため様々な面でのハウツーを学ぶため海外から指導者を招いており、この映画祭でプログラマーを務めるルドミラ・チコヴァ氏もその例外ではありません。
外からの価値観を盛んに取り入れることは、新しい文化的価値を見出すためには必要なことかもしれませんが、それだけに支援対象は時流に流されることなく慎重に選んでほしいものです。

ジャパンプログラムは「リリタアル」「塵」「津波そして桜」の順で上映されました。上映前に壇上で簡単な作品の説明をさせていただきましたが、毎度のことながら短編でありつつ長編のようなバックグランドを持つこの「連作」を説明することは難しいものです。「塵」は初見でしたが河瀬監督の大胆な視線やカメラを回す息づかいまでリアルに感じると同時に、ドキュメンタリーはフィクション以上に嘘をつくということを実感させてくれます。あらゆる映像は常に嘘から始まっており、それを真実にまで持っていくことが作家の力なのだと感じました。「津波そして桜」はあるイギリス人(監督)が望む理想的な日本人像が描かれているように思えます。桜というキーワードで被災者のインタビューがまとめられて行く、その構成力は素晴らしいのですが、排除された「部分」を想像すると単純に受け入れられるものでもありません。この2本のドキュメンタリーの対照的な組み合わせは意図されたものではないでしょうが、自分は非常にユニークなプログラムとして映りました。「リリタアル」も含め。

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ゲストとして十分な持て成しを受けた数日間でした。リリタアルを選出してくれたルドミラ氏、初日同行していただいたSSFFディレクターの東野氏、上映時に通訳をしていただいた日本大使館の反町氏、その他多くの映画祭関係者に心より感謝したいと思います。ありがとうございました。
ただ、砂漠へ行きたいという密かな願いは叶わずじまいでした。残念。
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by mangost | 2012-11-29 00:06 | Comments(1)
Commented at 2012-11-29 10:17 x
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