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マンゴスチンブログ
by mangost
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VOCA展
VOCA展を鑑賞しました。最終日にすべり込みです。
お目当ては小谷野夏木さんの作品。昨年の藍画廊での個展を見逃していたのもあり、どのような展開をされているのか非常に興味がありました。そこそこでかいパネル(100号以上だが、おそらくオリジナルサイズ---複数のパネルが連結している)二点に様々なイメージがぼんやりと描かれている手法はこれまでと同じと言えます。が、いつものもどかしさ「なんでこれがここに描かれてるんだ?」感以上に、描かれているものをただゆったりと眺めることの心地良さを味わうことができました。輪郭も定かではなく、切り取られたかのような様々な像は、誰かの記憶を覗いているようであり、あるいは遠くに置き忘れてしまった自分の記憶のようでもあります。
ネット、テレビ、雑誌等あらゆる媒体から常に様々なイメージを受け取り続ける現代において、特定の場所に行かなければ「像」を見ることができなかった感覚を想像する事など不可能であり、無意識のうちに蓄積されるイメージの層は記憶の底に限りなく沈殿していきます。私たちが描くものは既に描かれた何かでしかありません。
小谷野さんが描く個々のモチーフにおそらく関連は無く、その恣意性ゆえに感じることができる世界の有り様が、そこにはあるように思います。

関連記事ー産経ニュース(3.20)

写真は小谷野さんの昨年の個展DM。Voca展の作品ではありません。
VOCA展_a0048259_0533562.jpg

by mangost | 2013-04-02 01:10 | art
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